年会費無料で高ポイント還元率、人気のオリコカードザポイントを代表として、オリコカードのラインナップは大変人気を集めています。
ですが現在、オリコのほとんどのカードにおいて、国際ブランド「VISA」が新規に選べなくなっていることはご存じでしょうか?
日本でも知名度と信頼の高いVISAが選べないことで、オリコカードで困ることはあるのでしょうか?
オリコカードの国際ブランドについて見ていきましょう。
国際ブランド比較におけるMasterCard
クレジットカードの国際ブランド全般についてもおさらいしておきましょう。
クレジットカードの券面、右下隅に国際ブランドのロゴが入っています。このマークが店頭に出ていれば、世界中の加盟店で決済できるのです。
日本で発行されているクレジットカードの国際ブランドは次の通りです。
- VISA(世界1位)
- MasterCard(世界2位)
- アメリカン・エキスプレス(世界4位)
- JCB(世界5位)
- ダイナース
日本においては長い間、住友クレジット(現・三井住友カード)がVISAを牽引してきました。
それに対して、UC、DCなど他の銀行系カード発行のクレジットカードはもっぱらMasterCardでした。
信販系もまたMasterCardを発行していました。NICOSやジャックス、ライフなどです。オリコも信販会社です。
ですからかつてのオリコカードは、もっぱらMasterCardを発行していました。
もっともかつての日本発行のカードは、MasterCardのロゴが入っていても、これは海外決済時専用でした。
日本国内においては、発行会社のブランドであるUCやDC、NICOSなどが、加盟店識別のしるしとなっていて、MasterCardよりこれらのカードブランドのロゴが大きく店頭に掲示されていました。
日本で長らく三井住友陣営のVISAが優勢だったのには、この影響もあるはずです。
現在は、各カード会社のロゴを探さなくても、MasterCardのロゴがあればOKです。そしてカードOKのお店で、MasterCardが使えないことなどめったにありません。
このような進化もあり、現在の日本で、VISAとMasterCardとで、利便性において差はなくなっています。
世界に目を向けても、MasterCardはかつてのように「欧州では強い」といわれることはなくなり、世界中で通用します。
オリコでVISAが選べないとしても、MasterCardが選べるのなら実害はないのです。
VISAとMasterCard、サービス比較
VISAの利便性として、「タッチ決済」が挙げられます。クレジットカードをカードリーダーに通さなくても、接触だけで決済ができる仕組みです。国際標準のNFC決済です。
MasterCardにも、これと同じNFC決済の仕組みがあり、コンタクトレスと呼ばれています。
オリコカードにも、数は少ないものの、VISA、MasterCardそれぞれのNFC対応カードがあります。
ただ、Suicaや楽天Edyなどが使っているFelica決済と似ているものの、NFC方式はこれらと互換性がないため、日本での加盟店は決して多くありません。
マクドナルド、ローソン、TSUTAYAが目立つ程度です。
Felicaが主流の日本は、世界から見ればガラパゴス状態ですが、いずれにしてもVISAとMasterCardとの間に、機能面の差はありません。
では、付加サービスはどうでしょう。VISAもMasterCardも、カードブランドならではのサービスを、一部のカードで提供しています。
VISA独自のサービス
VISAの場合は、次の通りです。
- エクスペディア特別優待でホテル8%優待
- 宿泊でボーナスマイルがもらえるVisa Kaligo
- (ゴールド限定)空港宅配サービス、国際線クローク、海外Wi-Fiレンタル
MasterCard独自のサービス
いっぽう、MasterCardにはMasterCard Taste Of Premiumというプログラムがあります。
これと前述のVISAとの間で国際ブランドどうしのサービスを比べるならば、MasterCard Taste Of Premiumのほうが特典が多いといえます。
クレジットカードのクラスによる細かい違いはありますが、Taste Of Premiumサービス付与のカードでは、ホテル・レストラン・旅行全般の割引サービスを受けられます。
オリコカードのラインナップの場合、格安ゴールドの「オリコカードザポイントプレミアムゴールド」以上のカードで付帯しています。
年会費無料のカードの一部にもサービスがあります。
リボ払い専用カードの「オリコカードザポイントアプティ」でこのサービスが使えます。ただし、ゴールド以上のサービスとは若干異なります。
Taste Of Premiumのサービスは以下の通り(一部)です。
- Trip.com ホテル6~8%割引
- 国内高級ホテル旅館予約サービス
- ふるさと納税特別優待
- 空港宅配サービス、国際線クローク、海外Wi-Fiレンタル
- Taste of Premium 国内ゴルフ
- 「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」MasterCard限定宿泊プラン
サービスカタログが存在せず、カードを保有してからでないと具体的なサービス内容がわからないのはTaste Of Premiumの欠点です。とはいえ、全般的にVISAより充実していることが見て取れます。
Taste Of Premiumの場合、上級カードにおいて「レストランで1名無料」というサービス「Taste of Premium ダイニング by 招待日和」があって、特筆すべきものです。
オリコの場合はゴールドでなく、「オリコカードザプラチナ」が該当します。
ただしオリコのプラチナは年会費2万円(税込)と、プラチナカードとしては安いので、比較的手に入れやすいものです。
VISAの場合、プラチナ各カードにおいて同等のサービスは用意されているものの、国際ブランドとしてのサービスがありません。
オリコカードのVISAブランドは現在どうなっている
年会費無料の「オリコカードザポイント」や、格安ゴールドの「オリコカードザポイントプレミアムゴールド」など、オリコを代表するクレジットカードのVISAブランドは、2018年3月に募集を終了しました。
現在新規募集しているカードの国際ブランドは、MasterCardと、JCBだけとなっています。
オリコのプラチナカード、ゴールドカードはもともとMasterCardブランドのみだったので、影響はありません。
世界No.1の国際ブランドであるVISAの発行を止めたというので驚いた人も多かったようです。
ただし先に触れたように、オリコは遡ればもともとMasterCard陣営でした。ですから、元に戻っただけともいえます。
なおオリコカードからVISAブランドが一掃されてしまったわけではなく、数多いカードラインナップのごく一部にVISAブランドが現役です(2019年6月現在)。
(個人向け)
- オリコカード
- OricoCard Visa payWave
(法人カード)
- EX Gold for Biz S
- EX Gold for Biz M
単に「オリコカード」を名乗るカードは、オリコのラインナップの中では現在極めて存在感が薄くなっています。
このカードを知らない人も多いかもしれませんが、もともとのスタンダードカードであるこのカードでVISAが選べます。
「Visa payWave」は、Visaのタッチ決済をフィーチャーしたカードで、オリコの中では異端児です。
ポイントプログラムが古いマイナス面もあるものの、年間1度の利用で年会費無料になる点でまだ役に立つ1枚でしょう。
オリコは、MasterCardのコンタクトレスも多少導入しています。
ですが、オリコのMasterCardに搭載している機能の主流は、Felica電子マネーのiD、QUICPayです。オリコとしては、当面こちらを押していきたい様子です。
iDとQUICPay2種類は電子マネーであり、MasterCardの決済であるコンタクトレスとは異なります。ですがクレジットカードで同時決済するポストペイ型ですので、コンタクトレスを使った場合と実質的に決済に違いはありません。
オリコがVISAを止めつつあるのには、タッチ決済を強化できない社内事情もあるのかもしれません。
iDはNTTドコモ、QUICPayはJCBが開発した電子マネーです。
QUICPayを使っている限り、JCBブランドのカードがオリコから消えることはなさそうです。この点、VISAと事情が違います。
まとめ
VISAをほぼやめてしまったオリコですが、MasterCardも日本・世界で強いカードです。
まったく問題はないでしょう。
むしろ、MasterCardだからオリコカードを選ぶという考え方もあります。