旅行にトラブルはつきものです。
筆者は昔、メキシコに一人旅した際の帰りの飛行機が大幅に遅延し、トランジット先のサンフランシスコ空港で約12時間の足止めをくらいました。
結果的にもう1泊空港付近のホテルで宿泊をして、宿泊代と食事代が別途必要となりました。
実はクレジットカードには、こういう場合に宿泊代や食事代を補償してくれる保険が付帯している場合があります。
他にも旅行中のケガを補償する傷害保険が付帯する場合もあります。
筆者は海外での例を挙げましたが、今回はラグジュアリーカードに付帯する国内旅行の保険についてご紹介します。
ラグジュアリーカードに付帯する国内旅行保険の種類
ラグジュアリーカードには、大きく分けて以下の2種類の国内旅行保険が付帯します。
- 国内旅行傷害保険
- 航空機遅延費用保険
それぞれの保険内容を確認してみましょう。
国内旅行傷害保険はすべてのラグジュアリーカードに付帯
詳しい保険内容をご紹介する前に、まずは国内旅行保険の対象となるラグジュアリーカードのご紹介です。
ラグジュアリーカードには3種類あり、そのすべてが国内旅行傷害保険の対象となります。
TITANIUM CARD(チタニウムカード)
- 年会費:50,000円+消費税
BLACK CARD(ブラックカード)
- 年会費:100,000円+消費税
GOLD CARD (ゴールドカード)
- 年会費:200,000円+消費税
付帯する保険の内容は3種類のカードともに共通ですが、一部ゴールドカードにのみ付帯する保険があります。
そちらについては、後程ご紹介します。
ラグジュアリーカードの国内旅行傷害保険は、旅行中のケガを補償
ラグジュアリーカードに付帯する国内旅行保険のひとつ目は傷害保険です。
「保険」と聞くと真っ先に想像するのが傷害保険ではないでしょうか。
ラグジュアリーカードの国内旅行傷害保険では、以下の3つによるケガが補償されます。
- 公共交通乗用具に搭乗中の傷害事故
- 旅館・ホテルに宿泊中の火災、爆発による傷害事故
- 宿泊を伴う募集型企画旅行参加中の傷害事故
上の3つによる事故が生じた場合、具体的に補償される内容は以下の内容となります。
傷害死亡・後遺障害保険金 | 最高1億円 |
---|---|
入院保険金 | 1日あたり5,000円 |
通院保険 | 1日あたり3,000円 |
年会費が同じ50,000円+消費税のJCB THE CLASSや三井住友プラチナカードの場合、上記の内容とあわせて手術の補償が受けられる保険も付帯しています。
備えあれば憂いなしとは言いますが、手術補償はないもののラグジュアリーカードの国内旅行の傷害保険に関してはまずまず及第点と言えるでしょう。
飛行機の遅延も安心!ラグジュアリーカードに付帯の航空機遅延費用保険
続いてラグジュアリカードに付帯する航空機遅延費用保険のご紹介です。
冒頭でご紹介した筆者の旅行ケースは海外旅行の場合でしたが、国内旅行の場合はこの保険補償対象にあたります。
航空機遅延費用保険で補償される内容は以下の通りとなります。
乗継遅延費用 | 最高2万円(宿泊代・食事代) |
---|---|
出航遅延・欠航・搭乗不能費用 | 最高2万円(食事代のみ) |
受託手荷物遅延費用 | 最高2万円(衣類・生活必需品) |
受託手荷物紛失費用 | 最高4万円(衣類・生活必需品) |
表だけでは補償される内容がいまいち分かりにくいので、ひとつずつ確認していきましょう。
乗継遅延費用とは
旅行の際、目的地へ到着するためにどこかの空港を乗り継いで移動する場合、中継空港に到着する飛行機が遅延した場合に補償される費用のこと。
(例)仙台空港→羽田空港→那覇空港という旅程の場合
羽田空港→那覇空港に向かう飛行機が遅延した場合に、最大2万円までの食事代・宿泊代の乗継遅延費用が補償される。
つまり、B空港を経由してA空港からC空港に向かう際、B空港での飛行機遅延を補償する保険というわけですね。
B空港は乗継地なわけですから、家にも帰れない、目的地のホテルや旅館にも泊まれないという状況のため、宿泊代も補償されるというわけです。
出航遅延・欠航・搭乗不能費用とは
旅行の際、目的地へ向かう飛行機が遅延・欠航・搭乗不能となった場合に補償される費用。
(例)関西国際空港→羽田空港に向かう飛行機が欠航となり、6時間後の便に振り替えとなった場合
最大2万円までの食事代の出航遅延・欠航・搭乗不能費用が補償される。(宿泊代は除く)
国内旅行で一番多いのがこのケースではないでしょうか。
特に乗り継ぐことがなく、A空港からB空港まで向かう際に飛行機が遅延・欠航した場合に補償される保険ということですね。
この場合宿泊代は一切補償されず、食事代のみの補償となります。
遅延の場合は食事をしながら振替便を待ち、欠航の場合はいったん家に帰ってください、宿泊代は補償できませんよ、といったところでしょうか。
受託手荷物遅延(紛失)費用とは
飛行機搭乗の際の受託手荷物が遅延または紛失し、現地の空港で受け取れなかった場合に、補償される費用。衣類や生活必需品が補償の対象。
(例)成田空港で預け入れた荷物が福岡空港到着時に紛失してしまった場合
福岡空港到着時に購入した最大4万円までの衣類や生活必需品が補償される。
例えば出張の際に飛行機に搭乗し、翌日着る予定だったワイシャツやネクタイ等が受託手荷物ごと紛失したらと考えると、ぞっとしますね。
そんなときに、現地での衣類や生活必需品を購入を4万円まで補償してくれるという保険内容となります。
コンタクトの洗浄液やハブラシ、シェービングフォームなどの購入も生活必需品とみなされ、補償されます。
ラグジュアリーカードの国内旅行保険を適用する際の注意点
ラグジュアリーカードに付帯する国内旅行保険の内容が分かりましたが、今度は実際に保険請求するうえでの注意点を確認しましょう。
ラグジュアリーカードの国内旅行保険は、すべて利用付帯
一番注意したいことは、今回の記事でご紹介した国内旅行保険は、ラグジュアリーカードを利用して旅行の支払いを行なった場合のみ適用されるということです。保険適用となるのに必要な支払は以下の3つのうちいずれかとなります。
- 被保険者が搭乗する前に購入した国内航空券
- 被保険者がカード会社を通して予約購入した国内航空券
- 被保険者が購入し参加した宿泊を伴う募集型企画旅行
つまり国内航空券を別のクレジットカードで支払っていたり、航空会社のマイレージを使って発券した場合などは、すべて国内旅行保険の対象外となってしまいます。
一方、今回の記事では詳しくご紹介していませんが、ラグジュアリーカードの海外旅行保険に関しては自動付帯(クレジットカードを保有しているだけで保険対象となる)となります。
ここがポイント
ラグジュアリーカードの旅行保険は…
- 国内旅行保険:利用付帯
- 海外旅行保険:自動付帯
一部の国内旅行保険は、ゴールドカードのみが対象
今回の記事の前半でも少しご紹介しましたが、ラグジュアリーカードに付帯する国内旅行保険には、一部ゴールドカードの保有者のみが対象のものがあります。
ゴールドカード限定の国内旅行保険
- 交通事故傷害保険(最高1億円)
- 賠償責任保険(最高1億円)
旅行中に交通事故により死亡または後遺症が生じた場合や、日常生活中に生じた法律上の賠償責任が最高1億円まで補償されます。
旅行中に大きな荷物を持ち運んでおり、ホテルに置かれている壺などにぶつかって壊してしまった場合などには、この賠償保険が適用されるということですね。
国内旅行保険が自動付帯のクレジットカードの検討も
ラグジュアリーカードの国内旅行保険はカード利用付帯となるため、前述したとおりマイレージや別のクレジットカードで航空券を発券した場合、補償の対象外となります。
そこでオススメなのが、国内旅行保険が自動付帯するクレジットカードです。
保険が自動付帯するクレジットカードであれば、名の通り保有しているだけで自動的に保険が適用されます。
以下にオススメの国内旅行保険自動付帯カードをご紹介します。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- 年会費:20,000円+消費税(条件により10,000円+消費税)
- 家族カードの年会費:1枚あたり3,000円+消費税
- カード発行対象者:個人事業主、会社員など
- 傷害・死亡・後遺症保険:最大5,000万円まで補償
- 入院保険:1日あたり最大5,000円まで補償
- 通院保険:1日あたり最大3,000円まで補償
- 家族カード会員:保険適用外
ビジネスとついていますが、個人でも発行が可能な破格のプラチナカードです。
保有するだけでヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパンに無料入会できるなど、旅行好きの方は持っていて損はないカードです。
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セゾンプラチナビジネスアメックスカードで、ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン(HPCJ)に無料で入会する方法
アメックスカードをお持ちで、旅好きの方に朗報です。 対象のアメックスカードをお持ちの場合、ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン(HPCJ)に無料で入会できる方法があります。 普段からヒルトン系列のホテ ...
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楽天プレミアムカード
- 年会費:10,000円+消費税
- 家族カードの年会費:1枚あたり500円+消費税
- 傷害・死亡・後遺症保険:最大5,000万円
- 入院保険:1日あたり最大5,000円
- 通院保険:1日あたり最大3,000円
- 家族カード会員:保険適用
続いての国内旅行保険自動付帯カードは、楽天プレミアムカードです。
自動付帯の補償内容もさることながら、たった500円+消費税で発行可能な家族カードも保険適用となるのがうれしいですね。
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年会費に見合わない豪華特典付き!話題の楽天プレミアムカードの魅力とは?
楽天カードと言えば万人に人気を誇るクレジットカードであり、非常に多くの方が利用しています。その使いやすさや魅力の多さから対象年齢層も広く、社会人の方からお年を召した方まで誰でもお得に利用できることで有 ...
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ただし、どちらのカードも付帯するのは旅行傷害保険のみとなり、航空機遅延保険は適用されません。
まとめ
ラグジュアリーカードには、カードを利用して旅行代金を支払った場合に、国内旅行保険が付帯します。
- 国内旅行傷害保険
- 航空機遅延費用保険
旅行中のケガの補償や、航空機が遅延・欠航した際の宿泊代や食事代の補償などを受けることが出来ます。
ただしラグジュアリーカードを利用しなかった場合の旅行に関しては、一切保険対象外となってしまいます。
国内旅行保険が自動付帯するセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードや楽天プレミアムカードを保有することで無保険状態をカバーできます。
万全の備えをして、安心して旅行を楽しんでくださいね。